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| Juillet 1999 Belgique 3 |
今回はベルギーへの旅行記の続きです。
大分旅行記もこなれてきたと自分では思っています。
が、相変わらず食べてばかりいます・・・(笑)

Le carnet d'adresses (Belgique)

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次の日もいつものごとくゆっくり起き出して、11時過ぎにホテルを出て観光に行きました。 まずホテルの目の前の観光案内所で地図を貰ってから(ガイドブックの地図はあてにならないことが昨日のホテル探しで判明したので)、近くで軽く昼食を取ってから王立美術館に行く事にしました。 |
| 一通り、懲らしめてからGrand Place(グラン・プラス)に向かいました。 ここは、ベルギーを訪れた人なら一度は訪れるという、美しい石畳の広場です。 ここは、昔政治と経済の中心地だったそうです。 広場を囲むように有名な巨大な3つの建物。
まず広場の東西に市庁舎。 15世紀に建てられたそうで、中央にある塔はなんと96m!! その先端にはブルッセルの守護神、大天使ミカエルの象があります。 市庁舎の向かいにある建物は、王様が住んでいないのに『Masion du Roi(王の家)』と言います。 これは、16世紀にカール5世の命により建てられました。 その後スペイン公爵の邸となっていたため、このように呼ばれているそうです。 現在は市立博物館になっています。 |
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そして、市庁舎の左側、グランプラスの東側に位置するのが『ブラバン公の家』と呼ばれる、17世紀に建てられたものです。 これは、当時粉屋やパン屋、車大工、彫刻家、洋服屋などのギルド(同業者組合)が入っていて、各商工業者が職業の名誉にかけて大金を投じ、その繁栄振りを競ったと言われています。 現在の広場の原形は15世紀に出来上がったと言われています。 一旦、フランスの侵攻でほとんど破壊されたが、ギルドはすぐに再建を果たしました。 これはギルドの富、その財力がなせるエピソードですね。 そして、市庁舎のすぐ横の『星の家』の脇の道沿いに、ブルッセルの英雄『セルクワースの像』があります。 14世紀に、当時ブルッセル市民は支配を狙っていたフランドル公と対立していました。 彼はその抵抗派リーダーで、この対立の中で勇敢に戦い、現在の『星の家』で命を落としたと言われています。 この像を触ると幸せになれるといわれている事から、市民も観光客も皆で触って、金の像もつるつるになってしまっていました。 そして、フランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーも一時この広場の通称『鳩の家』に亡命していたと言われています。 広場を囲む建物の美しさ、荘厳さ、そして、歴史の重み。 かつて、コクトーがこの広場を『絢爛たる劇場』と愛でたそうですが、私も同じ気持ちになりました。 うつくしい、装飾が日の光をいっぱいに浴びて、かつての繁栄のすさまじさを物語っているようでした。 本当に気持ちがいいほど奇麗な広場。 |
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そういえば、ブルージュの中心部マルクト広場もこのグラン・プラスもそうですが、こういう風に開けた広場はパリにはないなぁと思い出しました。 しかも車が入れないので、いいことだと思います。 パリのカフェに日本の皆さんは憧れていますが、実際は車のビュンビュン通る排気ガスが立ち込める脇でお茶しているんです。 あまり気持ちがいい物ではないと思います。 その点ベルギーのこのような空気のいい広場で飲むお茶のおいしいこと!! さて、私たちはすっかりグラン・プラスに面したカフェでくつろいでしまい気が付くとそろそろ夕飯を考えなければい…けない時間になりました。 そこで、あの地図はいい加減なフランス語のガイドブックの中からこの近くで安くておいしそうなお店を幾つかピックアップし、歩いて実際に覗いてみる事にしました。 |
何件か見て悩んだ挙げ句に、ちょっと雰囲気のよさそうなところに入りました。
このお店はベルギーを代表するシュール・リアリズムの巨匠ルネ・マグリッドの作品を模写したフレスコ画が壁と天井一面に描かれています。
ベル・エポック調の洒落たブラッスリーでした。
私達は7時半くらいにお店に入った時はガラガラだったのに、後からどんどん込んできて、実は評判のお店だったようです。
お料理は正統派のフレンチでした。
でもベルギーの伝統料理もありました。
まずはビールを頼んで、のどを潤しつつ(さっきのカフェでも飲んでたくせに、しょうがないですね)メニューを決めました。
前菜はエンダイブ(日本ではチコリ)とスモークサーモンのサラダを1つ頼んで、メインは私はまたウォーター・ズイを、だんなさまは舌平目のムニエルを食べました。
前菜のエンダイブのサラダは思いかけない美味しさに驚きました。
普段パリで食べている物よりも、洗練されていました。
しかもお客様が来た時に応用できそうです。
エンダイブのサクサク感と渋味が胃を活発化させてくれました。
そして、メインもとても美味でした。
ブルージュで食べたウォーター・ズイよりもフレンチっぽい、ちょっと濃い目のクリームでしたが、味は絶品。
こんなクリームシチュウなら大歓迎です。
彼の頼んだ舌平目もパリで食べる物は、ぱさぱさしてしまっているものが多いのに、ちゃんと身がしっとりしていて、表面はかりかりしていてとても美味しかったです。
魚はベルギーの勝ちかな??
デザートは、私はフランボアーズとバニラのババロアを、彼はシャーベットを頼みました。
これもやっぱり甘みが控えめで、パリで普段食べているものに比べて軽かったです。
とても美味しくて満足しました。
フランスのガイドブックに載っているだけのことはあるなーと感心しました。
その後一旦ホテルに戻ってから、ビールを飲みに出掛けました。
すると、グラン・プラスの方から音楽と光が漏れてきました。
なんだろうと??と覗きに行くと、スピーカーから『こうもり』が流れていて、市庁舎が赤や青のライトで交互に照らされていました。
ホテルに戻る時に通った時も、夜のグラン・プラスの美しさに目をみはった物ですが、逆にライトを落としてライトアップされた市庁舎も奇麗でした。
曲はスピーカーから流れているだけでしたが、終わった時はその場で見学していた沢山の人がいっせいに拍手をして、感動していました。
これは、夏の間中、毎日やっているそうです。
![]() ちょっと分かりずらいかも知れませんが、ライトで照らされた市庁舎です。 |
![]() 元々の建物がとても細かい造りになっているので、このように、色々な色に変化してとても綺麗でした。 |
![]() 市庁舎をバックに。 とても綺麗でしょ?? 私じゃないですよ(笑)。 |
![]() 『ブラバン公の家』をバックに。 |
![]() 今度は『王の家』をバックに。 |
![]() 本当にこんな感じでした。 いい雰囲気でしょ?? |
すっかりいい気分で、ガイドブックでチェックしたビアカフェに行きました。
これもホテルからすぐ近くでした。
お店の名前は『古き良き時代』と言う意味らしく、静かな雰囲気で、17世紀の内装が素晴らしくて、しばらくは、席につかずに、店内を見渡してしまったほどです。
アンティークな雰囲気がすっかり気に入ってしまいました。
| ここでは、ブルッセルの地ビールである『ランビック』と言うビールを頼みました。 だんなさまは『グーズ・ランビック』と言う普通のビールで、私はそれに桃の味が加わったものを頼みました。 彼の普通のランビックは何も果物が入っていないのに、ほのかに甘い果物の香がします。 1口、口に含むと一瞬苦さがあり、その後すぐに果物の酸味のような味がありました。 まるで、甘い梅干しとかすももとか…。 『あれ??私のビールと間違えたかな??』と思ってしまうほどでした。 しかし、本当に美味しいです。 日本のビールのような刺激は少ないけど、味わって飲むビールです。 それに桃の味が加わった物が私の頼んだビールです。 |
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実は、このランビックビールはブルッセルの地ビールであり、ブルッセルでしか作れないビールなんです。
日本のビールと大きく違うのは、製法だと思います。
このビールは自然発酵という独特の製法で作られています。
通常のビールは発酵の段階で酵母(イースト菌)を加えるそうですが、自然発酵では加えません。
空気中にある野生の酵母の助けを借ります。
醸造所に住み着いている天然酵母を使うそうです。
しかも不思議なことに、この自然発酵のビールはブルッセルの郊外、11〜12キロの範囲内でしか作れないんです。何度試してもここ以外ではランビックは作れなかったというほど、まさに神秘のビールなんです。
このことを事前に知識として仕入れていたので、出会えた嬉しさもひとしおでした。
しかも私の味覚にはぴったり!!
それにベルギービールは味だけじゃなくて、視覚にも訴える。
グラスにもこだわっています。
銘柄ごとに特徴のあるグラスを使い、ビールを代えたらグラスも代えてくれます。
だから味だけじゃなくて、グラスも楽しめるんです。
なぜ、ベルギー人がこれほどビールにこだわるのか・・・。
本によると『好きと言うのはもちろんのこと、ベルギーでは昔からワインが作れなかった。だからビール作りにこだわった』とのこと。
ベルギーはフランスと並ぶ食文化の国であるにも関わらず(伝統的な正当なフランス料理はもはやベルギーにしかないと言うフランス人もいるほど!!)、そのベルギーではワインが作れなかった。
ワインの元となる良い葡萄が採れなかったからです。
食にこだわるベルギー人にとって、ワインに代わるものが必要だった。
そしてビールの研究に没頭したというのです。
フランスやイタリアではあまり価値の無いビールを食卓を飾るのにふさわしいものにする為に工夫を重ねた。
それがビール王国の基礎になった、と。
確かに、自然発酵で作られるランビックを始め、すっぱいビールはベルギー独特のものだと思います。
スパイスやフルーツ、ハーブまで使ってビールを作る国は珍しく、他には思い当たりません。
しかも現在修道院でビールを作る習慣を守りつづけているのは、ドイツ・オランダ・そしてベルギー3国だけ。
なかでもトラピストビールと呼べる物は、オランダの1銘柄とベルギーの5銘柄のみです。
食事と一緒に飲むビールもあるし、アルコール度も3度位の軽いものから12〜15度というものもあります。
ワインによく似たビールもあるし、低炭酸のランビックは食欲をそそるビールとしても有名です。
ビアカフェでビールを注文する時も、『ビールを下さい』だけでは、殆ど普通のピルスナータイプ(ラガービール)が出てきてしまってベルギーの個性的なビールにありつけないというほど、こだわっているんですね。
現在のベルギーには、飲むビール以外にも、料理としても存在しているし、フランスにおけるワインがそうであるように、ベルギーでのビールは既に生活に密着していると感じました。
そして、『グラスを代えてまで飲む美意識は、アール・ヌーボー芸術を育て上げたベルギー人の美意識のなせる業かな??』なんて想いを馳せながら楽しみました。
特に、食事を済ませてから飲むこのベルギースタイルは泥酔を防ぐこともあり、健康にも良いとされているそうです。
買って帰っても、このスタイルで飲んでみようかしら??
《続く》
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